ねぎ Poireau

 

2014年11月

 

 

 ここベルギーでは、「ポワロー」がよく食べられています。英名はリーキ(leek)、日本ではポロネギ、西洋ネギと呼ばれています。

  日本人にとってネギはとても身近な食材です。冬は鍋で、夏はそうめんの薬味に…と一年中大活躍。「炒めてもよし」、「煮てもよし」、「そして生でもよし」、と冷蔵庫を開ければ必ず入っている食材と言っても言い過ぎではないでしょう。きっと、ベルギー生活でもネギを求めて、ポワローを手に取った方も多いことでしょう。

 

 

 

ローマ皇帝ネロも毎日食べていた?

 

地中海沿岸が原産。歴史の古い野菜で、古代エジプト時代には栽培がおこなわれていたと言われています。また、ローマ皇帝ネロは「porrophage(“ポワローを食べる”の意)」とニックネームをつけられるほど、日常的にポワローを食べていたという逸話が知られています。なぜ食べていたかって?それは声を良くするためとか…。

 

 

姿かたちは、下仁田ネギとよく似ている!

 

ポワローの旬は日本のネギと同じ冬ですが、ベルギーでは一年中、手に入れることができる身近な食材です。下仁田ネギと似ている太いネギで、白色部の直径が500円玉くらいからもっと太い物もあり、巻きも密で手に取るとずっしりとくるネギです。根元の部分を土寄せして光を遮ることで、白くなります。緑色の部分は日本のネギとは違って筒状ではなく、平らでV字型に重なっているのが特徴です。

 

 

選び方と保存

  

 白い部分につやと張りがあり、緑の葉の部分を軽く押した時にきしむような感触があるものが新鮮です。冷蔵庫で保存するときは、新聞紙でくるんだり密封容器に入れたりして乾かないようにして野菜室に入れましょう。

 

 

おいしい食べ方

 

  主に白色部を食べます。火を加えても煮崩れしにくく、加熱すると糖度が増すのが特徴です。日本のネギにあるようなネギ特有の香りが少ないため、ネギが苦手でもポワローなら食べられるという人もいます。ヨーロッパでは、茹でたポワローのマリネや、ポワローのグラタン、スープなどが定番です。また、衣をつけて油で揚げたポワローのフリットを魚や鶏料理に添えて出すレストランもあります。

 

白色部は生でも食べられます。みじん切りにしてドレッシングに入れたり、サーモンのマリネなどに添えてレモンを絞ったりして食べても美味しくいただけます。もちろん、そうめんや蕎麦などの薬味としても使えます。

 

 

和食の食材として…

 

  焼きポワローがおすすめです。甘みを十分に楽しめます。味付けはシンプルに塩だけか、最後にフライパンに醤油を垂らして香ばしさを出してもいいでしょう。火加減を見ながらじっくりと焼き、少し焦げ目がつくくらいが美味しいです。焼き鳥をタレで、ポワローは塩で味付けし、ビールのお供や、晩ごはんのおかずにいかがでしょうか。

  また、茹でたポワローの酢味噌和えもおすすめです。

 

もう一品。寒い冬には鴨鍋が最高です。ベルギーではスーパーで手軽に鴨肉を手に入れることができます。鴨鍋は、濃いめの出汁が美味しく作るポイントです。麺つゆを使えば簡単です。

 

 

捨てないで!緑の葉の部分

 

緑の部分は、土が入っていることもあるため、葉をはがして、11枚丁寧に洗います。

肉を煮込むときの臭み消しとして使えます。きれいに洗ってから水気を拭き、冷凍しておくと、まるまる1本、無駄なく使えます。

 

 また、こんな食べ方も…。10㎝ほどの長さに切ったあと、白髪ねぎのように細く切り、オリーブ油で少し焦げ目がつくくらいに炒めます。塩・コショウで(お好みで最後に醤油を垂らして)味付けをしたら出来上がりです。青臭さはなく、ネギのおいしさと、くたっとした食感が楽しめます。


 

参考資料 les legumes  (Parangon2000)