va doux vent

2014年9月

 

 

 

 

 

 

 

Rue des Camerites ,93

1180 Bruxelles

 

http://www.vadouxvent.be

 

 

 

 


 

戦国大名の毛利元就の「三矢の教え」や「三人よれば文殊の知恵」の諺を地でいくレストランがある。開店1年半でいきなりミシュランの1つ星を獲得したヴァ・ドゥ・ヴォンだ。

 

ナミュールの料理学校出身の2人の若いシェフRomain Mouton(28歳)、Stefan Jacobs(25歳)と元コム・シェ・ソワのソムリエGontran Buysseの共通点は、レストランのコム・シェ・ソワとシー・グリルだ。同じ職場で働いた仲良しトリオである。

 

いつか店を開きたいと話し合っていたときに見つけた物件が、以前レストラン・ボンボンがあった店だった。ボンボンといえばここで一つ星を獲得。テルビューレンに移転して2つ星になった名店である。店が星を呼ぶというジンクスを生みそうだが、これはやはりシェフの力量だろう。

 


当店のスペシャリティは「自家製のスパイス」。ステファンが師匠と仰ぐブルターニュのオリビエ・ローランジェ(3ツ星を返上したシェフ。スパイスの魔術師といわれる)で学んだスパイス使いが、ベルギー産の食材を引き立て、今までに味わったことがないような料理に仕上げる。食材も地産地消が基本で、ベルギーの養鶏家やチーズ生産者との密なコンタクトなしには「星」はなかったという。

 

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今回のまかない料理は、乳飲み子豚のバラ肉と季節の野菜ズッキーニを使った「リエージュ風サラダ」の応用編だ。豚の角煮のように甘く仕上げてあるが、下茹でしたり長時間煮こまないので、豚肉本来の旨味と美味しさがあり、プリプリとした脂身がしんなりとなったズッキーニと抜群の相性だった。ここでもスパイス(l’épice des brasseurs が活躍した。