エコロ(緑の党)の議員 クリストス・デュルケリディス氏

 

2014年4月

 

 

 

 

今回は、仕事柄よくお会いする、ベルギーのエコロ(緑の党)の議員 クリストス・デュルケリディス氏(46歳)にご登場ねがいました。

ベルギーはご存知のように連邦立憲君主制国家で、ブリュッセル首都圏地域、フランダース地域、ワロン地域という3つの共同体から成り立っています。

クリストスさんはブリュッセル首都圏地域とブリュッセル・フランス語圏政府の両方に役職をお持ちです。前者では住宅と火災・緊急事態対策などの国務長官をしておられ、また

ブリュッセル・フランス語圏政府(COCOF)では、首相・大臣として、観光、教育、予算を担当しています。

 

 

移民の子

20世紀中旬、ワロン政府とギリシャとの協定でクレタ島やロードス島などの田舎から多くの人がリエージュやシャルルロワへ炭鉱夫として移住してきました。クリストスさんの父親もその一人でした。炭鉱が閉鎖になった後、タクシーの運転手を経て、小さな雑貨屋を開き、料理上手の母親は朝市でその手料理を売っていました。朝早くから夜遅くまで働く父と、ブリュッセルやルーバン、そして遠いアントワープの朝市まで出かける母を助けて、クリストスさんは小さいころから働いていました。

 

毎日の学校以外に、水曜日と土曜日の午前中はギリシャ語の学校(18歳まで続いた)、夜は店の手伝い、週末は朝市に立つ彼には、同世代の少年のようにスポーツや映画、遊びにいく時間もゆとりもありません。しかし当時はもちろん、今でも後悔はなく、むしろよい勉強になったとおっしゃいます。利発な少年は、もともと人と接するのが好きなので、中学生のころからジャーナリストか映画監督、または政治家になろうと思っていました。

 

高校の先生の勧めでルーバン大学に進みましたが、先生や学生の雰囲気になじめず、中退。「決して移民の子とひがんだわけではありません。朝市で働く人たちや多民族の間で育った僕は、異質の文化や意見に偏見をもつ人達とは体質が合わなかったのです。コネなし、金なし、学歴なしでスタートしました。あったのは、親の背中を見て習った、ひとを尊敬することと正直さでした」

 

クリストスさんのホームページには住宅、社会保障、教育・文化、環境、移民問題などについての意見や活動ぶりが載っていますが、お母様直伝のギリシャ料理のレシピを公開したものがあります。お母様に似て料理好きのクリストスさんがよく作る料理で、たくさんの人から美味しかったとメールをもらうそうです。あなたもいかがですか。

 

 

               ムサカ(moussaka

 

ナス 4~5個、ジャガイモ3個、玉ねぎ(大)1個、パセリ半束、ニンニク3~4片、トマトの水煮缶400g、ミンチ肉(豚と牛)700g、牛乳700ml、小麦粉大さじ5、バター75g、チーズ(卸したもの)150g、オリーブオイル適宜

作り方:

  ナスは両端を切り落とし、縦に1センチの厚さに切る。塩をふり、キッチンペーパーかザルに約20分間おいて水分を切る。玉ねぎ、ニンニク、パセリをみじん切りにする。オーブンを180度に余熱する。

  ジャガイモの皮をむき、縦に一センチ弱の厚さに切る。オリーブオイルで両面を焼き、キッチンペーパーで油分を除く。(母はオリーブオイルを使いますが、他の安い油でも結構です。でも母にはいわないでくださいね)。

  鍋にオリーブオイルを熱し、ニンニクと玉ねぎを入れ炒める。ミンチを入れ時々混ぜながらきれいな焼き色でパラパラになるまで炒める。トマトの水煮を加え、時々混ぜながら、あまり水っぽくならない程度に煮て、みじん切りのパセリを入れ、塩コショウで調味する。

  ベシャメルソースを用意する

  オーブン用の容器にまずジャガイモを敷き詰め、その上にナスを隙間のないように敷く。ナスの上にミンチを敷きつめ、さらにナスを敷く。ベシャメルソースで全てを覆い、チーズをふりかける。(ギリシャにいる母は家で飼っているヤギの乳から作るチーズを使いますが、グリエールなどの他のチーズでも結構です。でも、母には内緒ですよ)。

  オーブンに入れ約30分焼く。

 

 

このほか、米をブドウの葉で包んだドルマダキア(les feuilles de vignes farci)が丁寧な説明と写真で載っています。

クリストスさんのレシピはこちらです。

http://www.doulkeridis.be/rubrique.php3?id_secteur=1&id_rubrique=12