日本で過ごすクリスマス

 

2016年12月

クリスマス市
クリスマス市

 日本で働くアメリカ人の若者に「クリスマスはどうするの?」ときくと、「もちろん、帰国するよ」とか、「サンクスギビングに家族と過ごしたから、クリスマスは旅行しようかな」なんて声が聞こえてきます。アメリカでは、クリスマスとサンクスギビングは家族と過ごすもので、帰省ラッシュがおこるほどなのです。遠くに離れていても、どちらかは家族と過ごさなきゃ、というのは、日本人なら盆か正月どちらに帰省しようか・・・というのと同じような感覚かもしれません。
日本のクリスマスは由来も宗教も大多数の人には関係なく、プレゼントしたりされたりごちそうを食べたりとにかく楽しいものという印象がありますが、街が華やぐのは気分も明るくなっていいものですね。最近ではあちこちのイルミネーションもきれいですが、一般家庭でもLED電灯できらびやかに飾りつけをするところが多いようです。様々なツリーも目にしますが、日本ではなかなかアメリカやベルギーのような本物のツリーがないのは残念だと思っていましたが、あるところにはありました。欧米人の多く住むエリアの六本木ヒルズで「モミの木配達します」と英語で書かれた看板を仮設店舗のツリー屋さんで見かけ、モミの木の青い匂いをかぐことができました。その近くではヨーロッパ並みのクリスマス市に遭遇したこともありました。
 

クリスマス市
クリスマス市

そんな日本では、一説には某ファーストフード店がチキンを食べることを定着させたともいわれていますが、家庭の献立では骨付きの鶏もも肉を照り焼き風に味付けしたものが多く出回るのは今も昔も変わらないようです。帰国してからというもの、アメリカ風にローストした七面鳥を食べたがる子どものために焼こうかと思ったこともあるのですが、七面鳥というのは日本ではなかなか流通していないもの。都心の外国人向けのスーパーでは冷凍の七面鳥がごろごろしているのをみつけましたが、日本の家庭用オーブンでは丸鶏がぎりぎりのサイズだということに気づき、あっさりあきらめました。サンクスギビングを日本で過ごしたアメリカ人にきくと、調理済みの七面鳥を外国人向けスーパーから買ってきたといっていたので、それならオーブン問題は解決できるのでしょうが、わざわざ都心のスーパーに買いに行くのもおっくうなので、今年のクリスマスはどうしたものかと考え中です。
ケーキは年々デザインが洗練され、値段が高くなっていっているように思いますが、我が家は手作り派。クリームがまだらなビュッシュ・ド・ノエルでも、飾りのサンタが去年と同じでも、それが我が家流。手作りなのは卵アレルギーのわが子と一緒に食べるためではあるのですが、最近はアレルギー対応のケーキを扱うケーキ屋さんも増えてきたようです。昨年は近所のスーパーのクリスマスケーキのパンフレットにアレルギー対応ケーキが掲載されていて、ずいぶん苦労せずに手に入るようになったのだなぁと感慨にふけりました。アレルギー患者が増えるのは決して歓迎されることではありませんが、アレルギーがある人もない人も同じケーキが食べられるのはとてもうれしいことです。