2013年10月
過日、さる大使館主催のレセプションで、流暢なフランス語で実に楽しそうにお話している坂場大使をお見かけしました。人を惹きつける話ぶりや豊富な話題に、人の輪ができていました。失礼を顧みずにいわせて頂ければ、稀にみるような申し分ない外交官ぶりでした。日本人って、なかなかああはいかないのですよね。外国での生活が20年になる大使にお話を伺いました。
外交官になった理由
「私の専攻は歴史学でした。ですから最初から外交官志望だったわけではありません。が、たまたま外交官を目指す学友がいたので外交官という仕事に興味をもち、外交の歴史を学んでいたこともあり、実践の世界に飛びこむのもいいかなと思ったのです」。聞けば、外交官になる人の多くは法学部出身だそうですが、ユニークともいえる史学畑出身。でもだからこそ、坂場さんは魅力ある外交官になられたと思います。なぜなら、歴史に関心があるということはその国民を知ることで、国を作っている基の国民を知ってこそ外交ができるのですから。
キャラの人
達者なフランス語のわけを伺うと、外務省に入って直ぐ南仏・モンペリエに研修で2年間住み、地元の人と密に交際をしたからでしょうかとおっしゃる。なにしろ40年前のモンペリエ。住んでいた日本人は坂場青年一人だけ。今の様にインターネットもなく、24時間フランス語の中で生活したので、聞くのも自分の意見を伝えるのも苦労がなくなったとのこと。さらにそれを助けたのが、持って生まれたキャラクターではないかと推察いたします。「洋の東西を問わず『人間は同じ』という考えで、外国人に対して構えることなく自然体でつき合い、楽しい人間関係を築く。これが二国間の関係の発展に役立つと思って仕事をしてきました」。
印象に残る国は?
何ヶ国かまわったなかで特に印象に残る国がインドとエジプト。「幼児を連れていたので、濾過した水を煮沸すること20分などといったエピソードに事欠かないインドでは、衛生や医療面で困りましたし、エジプトは1997年のルクソールのテロ事件という、まことに辛い悲しい経験をしました」。