秋の軽井沢

 

2016年11月

 日本列島が北から紅葉にそまっていく季節になりました。東京の平地でももみじの見ごろを迎えています。いちょうもそろそろでしょうか。
アメリカ滞在時はカナダのメープル街道で美しいかえでの紅葉を堪能しましたが、どうしても日本の紅葉が見たいという家人の発作的行動で軽井沢までドライブしました。カナダのケベックで見たかえでは黄色から赤へと変わる様があざやかで美しいのですが、日本のもみじが緑からいったん色あせていき、目の覚めるような赤へと変わっていくのとはまた趣が違うのです。
花より団子の私はもみじといえば大阪のもみじの名所、箕面の滝で名物になっているもみじの天ぷらが食べたくなったりするのですが・・・。もみじの天ぷらはもみじの葉には味はないけれど、固めの甘く味付けした衣についたごまが香ばしいおやつです。
さて、東京から紅葉を見に行くドライブはいくつか選択肢があるのですが、一番有名な日光はいろは坂の混雑と車酔いが避けられないと判断して回避。テレビで見た軽井沢の雲場池にいってみることにしました。全周約1㎞という池ですが、真っ赤なドウダンツツジがぐるりと植えられ、その上にある様々な木々の赤や黄色の紅葉が水面に映りこむ様子も美しく、うっとりと半周してそのまま旧軽井沢へ散歩がてら歩いて出ることができます。
 

老舗のジャムやパンを買い込み、有名な珈琲店のソフトクリームはさすがに寒いので後ろ髪をひかれながら素通りし、蜂蜜をたくさん味見してやっぱりこれが一番!とお気に入りの桜の蜂蜜をもとめ、本格的なドイツ製法で作ったソーセージを試食したこどもにせがまれ・・・結局、どこへいっても花より団子だなんてぶつぶつつぶやきながら帰路につくのでした。
 ちなみに、ドライブの旅は目的地を行って帰るだけではもったいない。高速上には今や名物サービスエリアもたくさんありますが、そこそこの大きさのサービスエリアでも地元の特産物がめじろおしです。今回はこんにゃくを買い込んでうちに帰っておでんに入れたら、こどもがいたく気に入ってたくさん食べていました。漂白していないのに色が澄んでいて、まったくあくをかんじさせずプリッとした食感は、スーパーのものとは全く違います。その場で串に刺した玉こんにゃくを食べることもできるのですが、薄口醤油文化で育った私には、中まで飴色にそまった醤油の味付けは少し濃すぎに感じられました。身も心も満たされて、あとは横川の釜めしを買い込んで家路につきました。ちなみに、この釜めしの容器、益子焼なのですが、ちゃんと直火にかけられるってご存知ですか?釜めしやさんのホームページにはこの容器でご飯を炊く方法も記載されていますが、私は後日残った一人前のおでんをこの容器に入れて火にかけて温めなおし、そのまま食卓へ。タッパーでチンよりずっと風情があって気に入っています。