「コピ・ルワック/Kopi Luwak」をご存知ですか?

2015年6月



コピ・ルワックとは、インドネシアのジャワ島原産のコーヒーで、野生のジャコウネコが完熟したコーヒーの木の実を食べ、その糞からとれた未消化のコーヒー豆、そのコーヒーを言います。インドネシア語で「コピ/kopi」はコーヒー、「ルワック/luwak」はジャコウネコ(イタチ科)のことです。

コーヒーの木の実
コーヒーの木の実

大航海時代の1699年、初めてジャワ島にオランダ人がコーヒーの苗木を持ち込みました。そしてオランダ統治時代には、コーヒーのプランテーションが盛んに行われました。当時コーヒー豆は輸出用でとても高価だったので、現地人はコーヒーを飲むことを禁じられていました。禁じられれば飲みたくなるのが人間の心理。彼らは、野生のジャコウネコが残した糞の中に未消化のコーヒー豆を見つけて飲んでいたのです。偶然の発見が、「コピ・ルワック(ジャコウネコ・コーヒー)」の始まりでした。

ジャコウネコはマレーとインドネシアのジャワ島とスマトラ島に生息します。ジャワ島には、ジョグジャカルタ周辺にしかいません。ジャコウネコはバナナやパパイアなどの果物と完熟したコーヒーの実が大好物。食べた果肉は消化されますが、コーヒーの実の種子だけは消化されずに糞とともに排泄されます。種子は腸内の消化酵素と果糖によって発酵し、独特の香りの円やかでカフェインの少ないコーヒー豆ができるのです。その味や香りは、ジャコウネコが食べるコーヒーの木の種類(アラビカ種やロブスター種)や果物、そして豆の精製方法によっても違いが生じます。また、人工飼育によるストレスは、その風味にも影響を及ぼします。


マイルドでおいしいコピ・ルアック コーヒー(Kopi Luwak coffee )


ジョグジャカルタで野生のジャコウネコの糞の収穫からすべて手作業でコピ・ルアックを生産しているのが、「KOPI  LOEWAK  MATARAM」です。

ディエン高原のウォソノボに自主コーヒー農園があり、原産数の少ないアラビカ種のみを栽培しています。6月~9月はアラビカ種の収穫期で、農園のコーヒーの木の実が赤く熟します。この甘く熟した実を野生のジャコウネコが食べに来て、糞を残していきます。それを拾い集めて、洗浄し乾燥してコピ・ルワックが出来上がります。

アットホームな雰囲気のアトリエで、コピ・ルワックが完成するまでの作業を楽しく見学できます。籐のザルに広げて乾燥中の豆は臭いません。一粒ずつ豆をつぶさないように皮をむく作業は迅速かつ丁寧でした。


コーヒーの粉
コーヒーの粉
ジャコウネコ
ジャコウネコ

作業工程

 

① コーヒー農園で集めたジャコウネコの糞を集めて天日で乾燥させます。

② ①を洗浄し天日干しを2~3回繰り返します。

③乾燥した豆の皮を手で一粒一粒丁寧にむきます。手作業だから、豆がつぶれて酸味や渋みが出ません。

④ 高温で1~3時間焙煎機にかけます。その日の天候によって焙煎温度が変わるので、機械のそばには常に人がつきっきり。

低カフェイン、苦味と酸味の少ないコピ・ルアックが完成。


乾燥したジャコウネコの糞、未消化のコーヒー豆
乾燥したジャコウネコの糞、未消化のコーヒー豆
きれいに洗って乾燥させた豆の皮を手作業でむく
きれいに洗って乾燥させた豆の皮を手作業でむく

伝統的なインドネシア式コーヒーの淹れ方、飲み方

 

細かく挽いたコーヒーの粉をカップに直接入れ、熱湯を注ぎかき混ぜて、粉がゆっくりと沈殿するのを待ち、上澄みを飲みます。見た目はとても濃く感じますが、酸味が少なく独特な円やかさ、マイルドなコーヒーです。

また、焙煎した豆は、そのまま食べられます。仄かなコーヒーの香りで、苦味もなくカリカリッとしたまさにナッツ感覚のコーヒーのお供です。インドネシアの人たちは、ココナッツ・シュガーと一緒に食べるそうです。


 ジョグジャカルタでのアラビカ種の収穫期はたったの3か月間だけですが、ロブスター種は1年中収穫することができます。それゆえ、アラビカ種のコピ・ルワックは希少で高価なのです。ボナペティ一押しのこのコーヒー、どこかで見かけたら、是非ともお試しください。


付きっきりでの焙煎作業
付きっきりでの焙煎作業
日本語堪能なオーナー夫妻と日本人スタッフ
日本語堪能なオーナー夫妻と日本人スタッフ

 

 

Kopi Loewak Mataram

http://LOEWAKCOFFEE.THEBASE.IN/  

http://jogjabagus.com

 

E-mail:

mataramloewakcoffee@gmail.com

Facebook:

KOPI LUWAK MATARAM