DU TERROIR DANS NOS ASSIETTES

2012年8月



シェラトンホテルの総料理長クリスティアン・ティリリー(Christian Tirilly)は、長くベルギーに住むフランス人シェフである。ベルギーの食材とそれらを生産する人々に魅せられ、「皿の上のテロワール」と題する本を6月に出版した。信頼する生産者たちの横顔の紹介と、彼らが心をこめて飼育した鶏、野菜、チーズなどを使ったレシピ本だ。上質な食材なくしてガストロノミーはないという彼。新鮮な旬の食材を食べるため、地産地消を提唱する。

深刻化が進んでいる地球破壊を、少しでも遅らせる手段の一つは、飛行機や長距離トラックなどを使った遠隔地からの輸送の制限だ。風土気候にあったその土地の食材を旬に食べる。これこそがグルメの真髄。冬に食べる夏の食材の無意味を考える時である