カリブ海のベルギー?

 

2014年7月

 

 

バケーションの季節、ヨーロッパでは南を目指す人が多いですね。ニューヨーカーの行き先は十人十色ですが、ビーチを目指す人が多いのは夏に入って暑さが本格化する前です。国内ならフロリダ、海外ならそのさらに南のメキシコのビーチやカリブ海の小島が人気です。ちなみに、カリフォルニアなどの西海岸からだとハワイのほうが近いそうで、アメリカという国の広大さを感じます。

 

ニューヨークにいる間に一度はカリブ海に・・・ということで、サン・マルタン(Saint Martin)という島にでかけました。この島、シント・マールテン(Sint Maarten)ともいわれます。あれ?と思われた方もいらっしゃるでしょうが、ここは北部がフランス領で公用語もフランス語、南部はオランダ領でオランダ語なのです。そしてオランダ語圏は英語でOKUSドルOKなのですが、フランス語圏は絶対的に英語よりもフランス語、そして通貨はユーロです。ややこしいので、島の名前はここでは中立に英語名のセント・マーティン(フランス語と同じSaint Martin)で統一します。

 

 

 

 

 

 

セント・マーティンは地図で探しても中々見つけにくく、プエルト・リコから斜め右下あたりを虫眼鏡でよく探してやっと見つけられるような小島です。しかし、観光が主要な産業なので、クルーズ船の寄港地としてはよく知られています。ニューヨークからもパリからも直行便が飛んでいて、意外と観光客にはアクセスしやすいのが魅力です。そんな小さな島なのに、二つの文化が体験できるという魅力的な島です。まして、ベルギーに住んでいた身には北に行っても南に行ってもスーパーには懐かしい品々が・・・オランダの、キャラメルをはさんだストロープワッフルやフランスのLUブランドのクッキー、ミネラルウォーターのコーナーにSpaがあったのには感動しました。フランス側のスーパーのデリでは少しずつパテを選んでバゲットとワインを買い、改めてフランスの食の豊かさに酔いしれました。

 

巨大なクルーズ船が何隻も寄港するオランダ側の首都フィリップスバーグ
巨大なクルーズ船が何隻も寄港するオランダ側の首都フィリップスバーグ
マホビーチは空港に隣接しており、頭上にジェット機が迫ってくるので有名
マホビーチは空港に隣接しており、頭上にジェット機が迫ってくるので有名

 

私たちが滞在したのは、食事のおいしいところがいい・・・という理由でフランス側でも美食で有名なグラン カーズ(Grand Case)というエリアです。ガイドブックによっては30以上もビーチがあるといわれているセント・マーティン島には、ホテルもたくさんあります。それでもどこに泊まっている観光客でもレンタカーやタクシーで一度は食事に訪れる街がグラン カーズです。この辺りで人気があるのはフレンチもさることながら、ロロ(lolo)と呼ばれる地元の人たちも食べにくるおいしい屋台です。「屋台」とよく言われるのですが、どちらかというと日本の海の家のような掘立小屋で、数軒隣り合っているのですぐにわかります。どこもメニューは大差なく、店先で炭火で焼いたチキンや魚という簡単なもの。でも、これがとってもおいしい!貝のシチューなんかもあって毎日通っても飽きませんでした。付け合わせはパンよりライスだったのも飽きない理由の一つかもしれません。こどもにはバナナのフライが好評でした。付け合わせにするバナナはプランテン(Banane Plantaine)と呼ばれる通常の生食用のバナナよりも大きく、甘みの控えめなもので、揚げて塩味で食べると甘みが増しておいしいのです。アフリカやカリブの定番です。カリブといえば近隣の島で生産されているラム酒も有名。こんなにも種類があるのかとお店でずらっと並ぶあでやかな瓶を見てびっくりしました。

 

 

 

      貝のシチュー
      貝のシチュー

 

 

エビカレーに付け合わせのプランテン
エビカレーに付け合わせのプランテン
豪快に焼いた魚とカレーピラフ
豪快に焼いた魚とカレーピラフ

ニューヨークから4時間ちょっと飛行機に乗るだけで、お酒も食事もおいしくて、海はきれいで、ホテルのビーチには野生のイグアナまで遊びに来るなんて・・・こんなに近くに楽園があるのならまた戻ってきたい!今度はぜひクルーズで!と夢はどんどんふくらむのでした。

ホテルのビーチにたたずむイグアナ
ホテルのビーチにたたずむイグアナ