ベルギーの生活で驚いたことは、オーガニック食材が日本よりもはるかに身近にあることだ。東京にも出向けばいくつか店はあったが、いわゆるハイソな存在で値段が張るため日常的に利用することは難しい。しかし、ここベルギーでは、近所のスーパーにもBIOと記されたオーガニック食材のコーナーがあり、また色々な出店が集まるマルシェにもBIO食材店が必ずある。そんな豊富に存在する店の中でも今回特におすすめしたいのが「Marché Bio des Tanneurs」 だ。

Marché Bio des Tanneurs は、ブリュッセルの中でも古い下町であるマロル地区にある。タナール通りの歩道に出された小さな看板が目印だ。門を入った突き当りの倉庫のような建物にその店はある。明るく清潔感のある店内には、新鮮な食材がたっぷり並び、買い物意欲を刺激される。入り口に置いてある段ボール箱を取り、購入したい野菜を自分で詰めて最後にレジで会計するシステムになっているので、まだ言語に自信のない私でも臆することなく買い物ができる。

食材は、主に野菜や果物のほか、パン、チーズ、卵、シリアルや豆、酒類、オイル、焼き菓子や飲み物まで、肉や魚以外ならあらかた購入できる（肉加工品は多少ある）。そして、その野菜や果物は、みずみずしく自然の滋味あふれる味である。また、大抵の食材がスーパーと同じような値段で購入できるのがうれしい。常に季節の食材が並ぶため、ベルギーの旬の食べ物も知ることができる。たまには日本で馴染みのない食材にも挑戦してみたりと料理の意欲も湧くものだ。

オープン前にはすでに入り口でたくさんのお客さんが待ち構え、開場と同時に一気に買い物をしていく。十分な量が備えてはあるが、午後には品薄になってしまうこともあるので早めに行った方がよい。特に週末には入場規制のため入り口で待機させられることもあるほどの人気店である。